日本のベンチャー企業の皆さん、グズグズしていると世界から取り残されるよ!
こんにちは。香港在住弁護士のマイクです。
再びサイエンスパーク。
ここが香港や中国に限らず、世界中のベンチャー企業に門戸を開いてサポートしているシステムについては以前お話ししました。
こんな美味しいシステム、使わない手はないと思っていくつか知り合いの日本のベンチャー企業にも紹介したのですが、まだ研究開発段階なので海外は、、、。
やっぱり難しいのかなと思っていたら、意外にも身近なところにいました。
香港在住の日本人弁護士仲間ということで食事したりホームパーティでBBQしたりと、もっぱら飲み仲間のH先生。私よりふた回りほど若い先生ですが、いつの間にか香港の法律事務所を辞めてベンチャー企業の香港子会社の立ち上げやってました。それでもって、サイエンスパークの支援プログラムに応募し、審査を経てついにパーク内にオフィスを構えたのでした。素晴らしい!
その会社は東北大学加齢医学研究所発のベンチャーで、認知症予防プログラムを開発中だそうです。会社名は、
ちなみにこの研究所、2000年代に一大ブームを起こした任天堂の「脳トレ」の開発者の川島教授が所長を務めているのですが、「脳トレ」で得た多額の監修料の全額を研究所に寄付したそうです。素晴らしい!
先日、サイエンスパークでH先生から色々話を聞きました。
コグスマート社はそもそも海外展開を視野に入れていたところ、サイエンスパークのシステムを知り、子会社を香港に作って申請する事にしたそうです。審査は、書類審査から始まって、最終関門は審査コミッティーでのプレゼン。多くの専門家からなるコミッティーで、そのメンバーの前で新技術の事業性と将来性を説明し質疑応答をこなしたとか。ワードとパワポの資料をそれぞれ何十ページも準備してかなりハードだったそうです。その審査も無事に通り、晴れてオフィス開設となりました。申請から認可まで半年くらいかかっています。
審査手続きではいろいろな人が助けてくれたと言ってました。ジェトロもその一つ。サイエンスパーク進出に際してサポートを提供していて、大変お世話になったと感謝していました。そのジェトロのHPにインタビュー記事が掲載されています。以下はその抜粋です。
香港政府の支援が充実している。・・・企業ごとにメンターが付き、さまざまなアドバイスを得られる。(サイエンス)パーク内にはオフィスがあり、入居することで各界の関係者とつながることができる。当社の事業関連分野だけでなく、会社経営に必要なファイナンスや税の専門家なども紹介してもらえる。香港は・・・世界的なビジネスハブとして、海外企業に対しても社会実装やベイエリアへの事業展開に向けた産業化支援を行っている。
助成期間は4年間で、研究開発関連費に対して最高600万香港ドル(約8,400万円、1香港ドル=約14円)の補助があり、サイエンスパーク内のオフィスも格安で利用できる(初年度無料、2年目以降は半額)。・・・補助金は返済不要で、香港サイドからは知財権や株式も求められていない。求められていることは、計画通りに事業化し、今後の新規産業推進の中核となって香港社会に還元することである。
サイエンスパークはベンチャーだけではなく既存の事業会社の研究開発部門についても手厚いサポートをしています。これを利用して、ロート製薬も昨年基礎研究所を設立しています。
サイエンスパークを梃子に香港と深圳の機能をフル活用して、GBAは20年後もしかするとそれよりももっと早く世界有数の新興産業集積地になります。そこに香港の国際金融センターとしての役割も加味されるのですから、シリコンバレーとニューヨークが一緒になったような途轍もない地域が誕生します。
ベンチャー企業の香港進出には、ジェトロをはじめ現地のプロが大勢サポートしてくれます。もちろん、H先生や私も協力を惜しみません。加えてデフタパートナーズの創業者の原丈人さんも香港特別行政区とサイエンスパークの特別顧問に名を連ねていて心強い限りです。
日本のベンチャーの皆さん、さっさと香港にオフィスを作りましょ。待ってますよ。
前 ← |→ 次